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|BOOKS|

petit graff[1993/09]



書名:petit graff
[写真+文]:藤田一咲
出版社:PARCO出版
定価:1,553円
発売年月:1993/09
ページ数:80p
サイズ:17.5×13.5×1.5cm
ISBN-10:4891943505
ISBN-13:978-4891943505

●本書は絶版になっています。

●パリの落書きを集めた本
タイトルのgraff(グラフ)とはフランス語で落書きのこと。petitは小さいという意味で、直訳すると「小さな落書き」というような意味。パリの落書きにピッタリなタイトルなのです。というのも当時、フランス、特にパリの落書きはニューヨークなどのアメリカで多く見られる大型の落書きではなく、〈ポショワール〉という型ヌキ手法の小さな落書きスタイルが主流だったからです。これはA4くらいのスクールノート大の紙に、自由に描いた絵柄を型ヌキして、スプレーで吹き付けただけのもの。スプレーは一色もあれば多色のものもあり、切りヌキも単純なものから複雑なものまでさまざま。異なる切りヌキを重ねて、色もたくさん使った非常に凝ったものまで登場していました。そこにはパリのグラフィティ・アーティストたちが知恵を絞り、センスとテクニックを凝縮したメッセージが込められていました。もちろん、そこに美的なものを十分に感じましたが、それと同時にぼくは人の持つ表現しないではいられない気持ち、感情の発露に強く惹かれました。落書きは、ぼくが言うまでもなく、反社会的な行為ですが、このエネルギーに共感できない、この表現者たちを一方的に封じ込める世界とは、一体どういうものなのだろう、きれいならそれでいいのだろうか、と思ったり。この本の落書きは、そんなことを考えなくても眺めているだけで十分楽しめます。

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